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長谷堂城の戦い(出羽合戦)U〜前哨戦〜


慶長年間当時、越後を治めていた上杉景勝(上杉謙信の甥〜養子となって家督を継ぐ)は慶長二年(1597)に豊臣政権で豊臣氏の五大老の一人に列せられ、慶長3年(1598)会津120万石に加増移封されます。 これは秀吉が巨大な勢力基盤を関東に持つ徳川家康の背後を牽制し、伊達政宗・最上義光などの外様大名を監視する奥羽鎮護を考慮しての配置でした。

(1)出羽の雄:最上義光
(2)出羽合戦
(3)「長谷堂城の戦い」の前哨戦




 

●出羽の雄:最上義光


これによって会津上杉領に本拠地:山形城を近くする最上家は一気に会津の軍勢の矢面に立つこととなります。 景勝は、上方の戦況如何によって対応をせねばなりませんでした。
この天下分け目の合戦(関ヶ原の戦い)は大勢が長引くと予想されていた節がありました。

兼続は景勝に小山を発った家康を追撃し背後を突くよう進言しますが景勝は

『上杉家の家名は敵の後背を突く事に在らず』

とその策を容れることはありませんでした。 景勝は上方の動静を伺いつつ、家康の本拠地:江戸攻略の前に背後で会津を牽制する【出羽の驍将】【羽州の狐】と称される最上義光の山形城を討つことにします。
会津、庄内、置賜、佐渡と孤立した領地を結ぶためにも、景勝は家康追撃より山形城攻略のために出陣の準備を始めます。

『上杉軍来る』の情勢に、最上義光は上杉家に使者を送り嫡子を人質として送る等の条件で和睦を申し込みます。最上家は当時、約20万石の規模であり、120万石を領する会津:上杉家の軍勢をまともに引き受ければ滅亡の危機もありえました。 しかし、和睦の水面下で、義光は時間を稼ぎつつ、三成と家康の合戦の戦況を見極めて好機あらば秋田実季(徳川方)と結び上杉領:酒田城を攻める謀略を進めていました。
直江兼続はその謀略を察知し、景勝は兼続に命じて和睦交渉の決裂として出羽侵攻を命じます。

 

●出羽合戦

九月八日、直江兼続は米沢と庄内の二方面に分けて出羽へ侵攻します。米沢からは兼続率いるおよそ2万5000人の大軍を萩野中山口へと進め、途中、掛入石仲中山口に篠井康信、横井旨俊ら4000人を別働隊として進軍させます。 庄内からは酒田城より志駄義秀らが3千人の兵を率いました。
上杉総勢およそ3万
その動きに呼応して勇猛で知られる横手城:城主、小野寺義道も上杉景勝と同盟を結び仇敵:最上家の所領に侵攻します。 三方から敵を受ける形となった最上軍の総兵力はおよそ7000人あまり。しかも畑谷城や長谷堂城、連なる支城・砦などに兵力を分散していたため、山形城には4000人ほどの兵力しかなかったそうです。


● 「長谷堂城の戦い」の前哨戦

12日、直江兼続は最上義光の本拠地:山形城への最短距離をとって白鷹から侵攻。最上領の最前線・畑谷城では城将江口五兵衛、守備兵およそ500人が上杉勢を相手に激戦を繰り広げます。
畑谷城は低山に位置し、城まわりもなだらかな地形であるため、畑谷城では精鋭で鳴る上杉勢およそ20000人(寄手の将は色部修理亮光長(後に長門守)を先手、春日元忠・水原親憲らが担当)を相手にできるはずはありませんでした。

義光は城将江口五兵衛に対して帰還を命じますが、江口五兵衛はあえて籠城・敵軍の中に斬り込んでの玉砕を選びます。 『最上義光物語』では、

「東西南北に入違ひもみ合。死を一挙にあらそひ。おめき叫て戦ひければ、さしも勇み進んたる寄手も。此いきほひに難叶。持楯かい楯打捨て。一度にとつと引たりける」

と、激戦の様子を記しています。
上杉勢は畑谷城に援軍に来た最上勢をも破っておよそ1000人の死傷者をだしつつも、十三日に畑谷城を陥落させます。
以下は畑谷城で散った最上の勇士達です。

・江口五兵衛光清(畑谷城守将・自刃 )
・江口小吉時直(畑谷城で討死 )
・岩瀬和泉守(畑谷城で討死 )
・草刈善介 (畑谷城で討死 )
・土屋彦左衞門(畑谷城で討死 )
・林 縫殿助(畑谷城で討死 )
・細谷C左衞門(畑谷城で討死 )
・真嶋左衛門(畑谷城で討死 )
・松田忠作時久(畑谷城で討死 )
・向田八郎左衛門光之
(畑谷救援に失敗、責任を感じ自刃す)


慶長五年(1600)九月十五日。 米沢を出陣して1週間。直江兼続は山形城の支城、長谷堂城に迫る。此処を抜けば次は最上家の最後の城となる。野戦では当代きっての名将と謳われた直江兼続の脳裏には既に家康との直接対決の様を思い描いていたに違いありません。

この日の早朝、霧が晴れた美濃関ヶ原では石田三成と徳川家康が日本の政権を争う天下分け目の大合戦を行っていました。

 
 

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