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HOME > 現世名将言行録 > Vol3. コーエー『国盗り頭脳バトル 信長の野望』プロデューサー 竹田智一氏
 

 『国盗り頭脳バトル 信長の野望』 プロデューサー 竹田智一氏 インタビュー

株式会社コーエー
ソフトウェア事業部 ソフトウェア3部
シニアマネージャー
竹田 智一氏

(インタビュー・ツツミヒロユキ)
「歴史シミュレーションゲーム」というジャンルを一般に定着させ、その道を30年も極め続けている老舗メーカーのコーエー。 名作と呼び声の高いコーエーから発売中のニンテンドーDS用ソフト『国盗り頭脳バトル 信長の野望』、今回はその生みの親である竹田氏が、どのような想いを込めて本作を作り出したかなど伺いました。

 

 テーマは国盗り、短時間での対戦!

ツツミ(以下、戦国魂):まず「信長の野望」シリーズとして扱う上で気をつかった点は?

竹田氏:『国盗り頭脳バトル 信長の野望』(以下、『国盗り』)のゲームシステムは従来の「信長の野望」シリーズ本編とは大分違う形になりますが、歴史ファンの方に楽しんでいただけるツボだけは外したくないというのがありました。それはゲームシステムに関してもそうですし、ストーリーもそうですけど、開発メンバー皆が共通して気を付けていたところですね。

戦国魂:人気のある「戦国無双」などのキャラクターを使用しなかった理由は?

竹田:「信長の野望」は連綿と続いてきた戦国ファンの方の一つの拠所みたいなところがあったので、そのシリーズで色々広げてみたいという思いがありました。それと、このゲームには“国盗り”というテーマがあるので、大名同士の駆け引きが重要となります。そこで「戦国無双」などのアクションゲームではなくて、『国盗り』は、「信長の野望」シリーズの方が相応しいだろうという風に考えました。

戦国魂:システム周りで苦労した部分というのは、どこですか?

竹田:『国盗り』は、従来の「信長の野望」シリーズよりも気軽に対戦できるゲームを目指して作りました。昔ファミコン時代によく「信長の野望」を、友達と対戦したのですが、夜を明かしても終わらないんですよね。ところが、今では、ゲームで対戦するとなると、数十分とか1時間とかが限界だろうと考え、その中で決着がつくようなシステムにすることにしました。実際には、この短時間で完結する対戦を実現するのが一番苦労したところです。シミュレーションゲーム系はどうしても時間かかるんですよね。昔もボードゲームを集まってやるとほんと一日潰れました。あのまま作るとどうしても対戦して貰えないというのがあったので、集まって1時間で決着がつくようにするために、ルールをシンプルにしたり、演出を小気味よくしたり、そういうところが一番苦労しました。対戦している者同士に同じ演出を見せると、ほんとに時間がいくらあっても足りないので、その人にとって重要なところだけ演出する、時間を縮めるという部分ですね。

戦国魂:分かりやすくシンプルに創るというのは、意外と難しいですよね。

 

 

 バランス取りは最後まで

戦国魂:地形効果や特殊能力も考え込ませない程度のテイストで表示されていましたが、この数字を気にし始めると、見た目よりも奥が深く、またネット対戦などの要素も加わって、バランス取りは大変だったのでは?

竹田:バランス調整は、最後まで皆で納得してコレ!みたいな落ち着くことがなくて「こうだああだ」と補正を最後まで入れました。

戦国魂:武将の総数が多かったですからね。そういえば女性の武将も沢山入れられていましたが、女性の武将は城を守るのが得意だったりして、嗚呼なるほどと感じました。ゲームらしくて面白かったです。

竹田:あまり戦国を知らない人たちにも興味を持ってもらいたいと思って入れました。ドラマなどを見ると、実は「女性の力って大きかったんじゃないか」みたいなトレンドがありますよね。最近大河ドラマの話を聞いたんですけど、「戦国時代までは結構男女は平等だったんだよ」みたいな話があって、そういうのを元に今の時代とも合わせて作品が作られていると聞きました。

戦国魂:時代的には、武士の衣装をそのまま女性用に変えたような小袖も流行っていましたからね。

竹田:結構、興味が出ますよね。「これ誰だろう?」と調べたくなったり。最近では、女性の方も戦国史は、実は面白いんじゃないかという流れがあるみたいで。

戦国魂:戦国ファンの若い層は今圧倒的に女性の方が多いですね。武将の生き様に惚れて、歴史そのものを皆さん勉強されてまして。男性と女性とでは武将の好みが違うのも興味深いですね。

竹田:ウチの嫁にも「面白いぞ!」って歴史小説を薦めてます。

戦国魂:女性には戦国史をどの辺りから知って貰うのが良いと思われますか?

竹田:最初は信長辺りが全体を把握するのには良いと思います。小説で面白いものが沢山あるので。

戦国魂:『天地人』と相まって御社が発端となった「義トリオ」も今年は更に根強い人気となるでしょうね。ところで、これも御社の作品の影響ですが、大谷吉継のコスプレーヤーを近頃見かけるようになりましたよ。

竹田:ああいう悲運な人たちは、心捉える部分ありますよね。

戦国魂:そうですね。人気の武将も多いですね。話が逸れましたが、そんな武将たちを操る今作のAIの秀逸さは素晴らしいと感じました。

竹田:AIは、ほんとに最初は大したことがなかったんですけどね。ルールがシンプルなので凝ろうと思ったらどこまでも凝れるんですよ。それで「こういう読みをさせよう」と思考を1個入れるだけで「わぁ強い!」みたいな感じになって一時期は誰も勝てなくなっちゃったり。これを入れたらゲームとして成り立たないようなAIも出来たんですけど、さすがにそれは封印して、今のバランスになりました。難易度の低いものは、大分手加減するものを色々入れてますが、難易度の高いものは結構強いと思いますよ。

 

 続編の予定

戦国魂:他機種への移植の予定は?

竹田:具体的に予定はありません。しかしプロデューサーとしては、やはりもっと多くの方に遊んでいただきたいというのはあって、野望はあるんですけどね。インターフェース的にタッチペンに特化した操作性なので、他機種に移した時にどうかというのは考えなきゃいけないところです。

戦国魂:DSウェアなどで、ショートシナリオを追加していくとか? ただシリーズとして続けていくのには、今回で大きな武将の説をやってしまってるので、もしやるとしたら、どの辺りを枝葉に選びたいですか?

竹田:まだ決まってはいないんですが、枝葉を付けていくと、だいぶマニアックになっちゃいますね。シナリオを選定した時もそうでしたけど、社内でもそれぞれ地方色というか、自分の出身地に近い所に贔屓になってしまう傾向があって。

戦国魂:私、個人的に黒田なんか入れて欲しいですね。あと長宗我部なんかいま人気がありますよ。

竹田:そうなんですよね。それぞれの武将のゆかりの地の方にしてみると、あまり知られていない武将でも、「いやいやいや」みたいなところがありますよね。また時代によって人気の武将は変わってくる部分がありますし。そういうのを考えながら、次となると迷うとこですね。んー誰にしようかな?

戦国魂:今回やれなかった部分など、続編があるとしたら、システム的にはどの辺りを一番拘ってみたいですか?

竹田:このゲームはシンプルであるところが面白さに繋がっていると思うんですよ。ゲームシステムも限界までシンプルにしています。よく次回作である過ちが、そこに上物をのせてバランスを崩すというところなので、もし次回やるにしても、そこは非常に気をつけなきゃいけないところだと思っています。

戦国魂:たとえば『いただきストリート』はドラクエやFFのキャラ、『風来のシレン』はポケモンのキャラを被せてヒットしていますが、そういった商品展開は考えられませんか?

竹田:もしやるとしたら、ほんとに戦国じゃないテーマぐらいまでいかないと。ただファンタジーのような展開はないとは思いますね。それだったらそういうゲームにすると思います。

戦国魂:遊んでいると、このディフォルメ感がいいんですが、続編での見た目の新鮮さは正直作り難しい作品だと感じました。それは同時に売り難い商品というか。『カルドセプト』のような方向がベストで、その手が好きなユーザーに浸透するといいですね。そういえば『カルドセプト』も先程の『いただきストリート』も、ボードゲームの中では長年ファンのいる『バンカース』と『モノポリー』を足したような作風で、買い続けたく層がいるんでしょうね。でもボードゲームであれば日本では『戦国武将ゲーム』という人気ゲームが昔ありましたよね。この作品に雰囲気が似ていて懐かしい感じがしましたが、プレイされたことは?

竹田:ええ、ありますよ。『国盗り』も最初はいかにもボードゲームですっていう感じの企画だったんですが、やっぱり昔遊んだボードゲームなどの影響力も少なからずあるんじゃないかと思います。

戦国魂:その辺りのユーザーにも響くといいですね。

 

 大河ドラマについて

戦国魂:「甲陽軍艦」の山本勘助のような軍記物から美化されていった逸話や存在もありましたが、その辺りの扱いは?

竹田:何を取り入れるにしても、最終的にはやはり、ゲームとして面白いか、プレイされる方がそれを見て納得できるかだと思うんですよね。「三国志」なんですけども、創られた物語だけど、そこに想い入れができるという部分があるので、それはそれで皆さんの認知度というか、許容度というか、そういうところで、「そういう事があったかも?」位のエピソードでも、場合によっては、全然あってもいいんじゃないかなと思います。人物はいっぱいいますからね。

戦国魂:竹田さんの好きな大河ドラマは、何ですか?

竹田:世代がバレるかも知れないですけど、最初に見ていたのは『おんな太閤記』の時代で。次に衝撃的だったのは『独眼竜政宗』『武田信玄』辺り。最近だと『利家とまつ』『風林火山』辺りがよく見てたところです。

戦国魂:佐久間さん主演の『おんな太閤記』の頃はセットも凄いですが、主役から脇役にいたる隅々まで役者のレベルが高かったですね。

竹田:あの時代って凄くて、今じゃ考えられないですね。『独眼竜政宗』の時も凄かったですよね。とんでもない配役でした。

戦国魂:個人的には、会合衆を中心とした話の『黄金の日日』はお勧めします。信長が戦い続けられたのも、バックについた堺からの潤沢な軍資があってのことで、呂宋助左衛門がそこで葛藤する姿は、他の大河ドラマとは違った人間模様がありますよ。

竹田:それは、見ていないです。面白そうですね。

戦国魂:あと『風林火山』は、前半と後半で評価が分かれるようで。後半の勘助の諏訪姫に対する心情の描き方には架空な描写が入り過ぎていて、抵抗がある方もいたようです。

竹田:しかしGacktは衝撃でしたねぇ。

戦国魂:配役はみんな驚きましたね。Gacktを超えるインパクトの上杉謙信はもう現れないんじゃないかと。この路線でキャスティングしていけば別の路線の戦国ドラマシリーズが作れますね。まぁ何にしろやはり歴史認識に対する大河ドラマの影響は大きいと思います。地元に根付いていたお祭りの名称ですら変えてしまう力がありますから。余談ですが、それで『天地人』に合わせた盛り上げ企画のために戦国魂もそちらに取材に行ったんですが、時間の都合もあって長谷堂や新発田周りが取材出来なかったことを皆悔しがってまして。

竹田:長谷堂って凄い山城じゃないですか。

 

戦国魂:はい、山城を巡って激しい戦いが繰り広げられた場所です。そういえば先日、毛利家の御子孫方と話をしていた際、興味深いリアリティのある話がどんどん飛び出してくるので、一作り手として刺激があって、何か自身の作品に反映してみたくなりました。そういった欲って湧きますよね。まだあまり沢山描かれていない九州方面など私も個人的に描いてみたいです。竹田さんもそういった逸話などから、作品を生んでみたいと思われたことはありませんか、最上とか毛利とか、表裏のある家の内部的な動向を描いてみたいと思われたことは?

竹田:ゲームシステムに合うかどうかだと思うんですよ。中の方で起こったものって、もっと人間臭いドラマじゃないですか。そういうのは、そういうのが合うゲームってあると思うんです。戦国モノは本当に奥が深いので、掘れば掘ろうとするだけ掘れるんですよね。そしてその一部に想い入れのある方たちがやっぱりいて。でも九州は九州で凄い面白いですよね。

戦国魂:ではその辺りを次回作に期待しまして。今日はどうもありがとうございました。


コーエーさんありがとうございました。

 

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「国盗り頭脳バトル 信長の野望」

(C)2008 KOEI Co., Ltd. All rights reserved.

プレゼントのお知らせ!
応募期間:2009年1月17日〜2月14日
終了いたしました。たくさんのご応募有り難うございました。

●読者用特典
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●応募方法
こちらの宛先にお名前、郵便番号、住所、氏名をご記入の上ご応募下さい。発表は発送をもってかえさせていただきます。
コーエーさん、プレゼントのご協力ありがとうございました!

・タイトル名: 国盗り頭脳バトル 信長の野望
・対応機種: ニンテンドーDS
・ジャンル: 波瀾盤上ストラテジー
・プレイ人数: 1〜4 人
・通信機能: ダウンロード通信、ワイヤレス通信、 Wi-Fi コネクション対応
・CERO A(全年齢対象)

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